「講演会」及び「和田行男先生を囲んでの忘年会」
◆ 日 時 平成20年12月5日(金)13時00分~17時00分
◆ 会 場 八戸プラザホテル
◆ テーマ みんなで考えよう、これからの認知症ケア
◆ 講 師 和田行男氏
プロフィール 1955年10月(高知県生まれ)
・東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会代表
・㈱大起エンゼルヘルプ(本社東京都荒川区町屋)
クオリティーマネジャー
・認知症対応型共同生活介護(7箇所13ユニット)
・通所介護
・小規模多機能居宅介護等を統括
・著書:大逆転の痴呆ケア(中央法規2003年)
認知症になる僕達へ(中央法規2008年)
【連載】
りんくる(中央法規)読売新聞夕刊
「婆さんに学ぶ認知症」
介護福祉の応援サイト「けあサポ」
・国鉄から転職 1987年より 特養・在宅サービスセンター・相談員
・施設長を経て現職に至る
◆ 参加者 講演会70事業所193名(GH協関係110名)、忘年会24事業所73名
・去る12月5日(金)和田行男先生をお招きし、テーマ「みんなで考えよう、
これからの認知症ケア」と題し講演会を開催いたしましたのでご報告いたし
ます。ご講演いただきました和田先生は全国でも有名な方で、認知症をテー
マにした著書も発行されておりますのでご存じの方も多いと思います。特に
2003年に発行された「大逆転の痴呆ケア」は全国的に大ブレイクし、認知症
ケアに携わる私たちに大きなインパクトを与えたことは皆様ご承知の通りで
す。講演会に参加された皆様におかれましては、改めて認知症ケアに対する
考えを深める有意義な時間になったのではないでしょうか。また、講演会終
了後には和田先生にもご出席いただき毎年恒例の忘年会を開催いたしました
。時間の経過とともに、お酒の効力(?)もあってか各テーブルからお招き
の声が多数聞かれ、ここぞとばかりに熱心に意見交換をしている光景があち
らこちらで見られていました。
◆加藤会長の挨拶 | ||
・本日は年末のお忙しいところ、当協議会のご案内に際し、多数ご出席いただき誠にありがとう御座いました。ご承知の通り、本日の講演は和田行男先生をお招きし、「みんなで考えようこれからの認知症ケア」をテーマに、皆さんと一緒に認知症ケアについてあらためて考える時間にしたいと考えております。 先生は東京都地域密着型サービス事業者連絡協議会代表をされております。高知県のご出身で、国鉄から転職(1987年)され、特別養護老人ホーム、在宅サービスセンター、老人保健施設、グループホームなどで |
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ケアワーカー、相談員、施設長などを経て、現在は東京都荒川区にあります㈱大起エンゼルヘルプにお勤めされております。また、「大逆転の痴呆ケア」「認知症になる僕たちへ」と題し、著書も発行されております。認知症ケアに対する理解がより深まると思いますので、是非読んでいただくことをお勧めいたします。本日は誠にありがとう御座いました。 | ||
◇講演会の様子 | ||
・お話の中で私が言う言葉に「婆さん」という言葉 がでてきますが、決してババアと言っている訳で はなくて、認知症という状態にある人という意味 に置き換え、変換して聞いていただきたいと思い ます。介護保険制度がスタートして丸8年が経ち ました。当時グループホームは全国に約250箇所 ありましたが、現在は約10,000箇所あると言われ ています。では、グループホームが急速に増えた ことで、この国がどう変わったのでしょうか?ま た、当時は痴呆(馬鹿げたことをする人)と言っ |
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ていましたが、現在は認知症という言葉に変わりました。確かに認知症という言葉になったことで様々に伝えやすくなったり話やすくなったりはしましたが、実は馬鹿げたことをする人扱いは変わっていないのではないと思う時がある訳です。呼び方が変わりグループホームも40倍に増えましたが、では、馬鹿げたことをする人という意味で言われていた人達の何が変わったのかを考えてみてほしいと思います。 | ||
(認知症とは?) | ||
・今日は認知症がテーマになっていますので、最初に認知症について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。認知症に対する関心は高まっておりNHK・民放・雑誌等で取り上げられることが多くなっています。私たちグループホームは、その最前線にいる訳ですが、皆さんが知人・友人誰でも良いですから、認知症とはどういう状態のこと?と聞かれたらなんと答えるか考えてみてください。 | ||
◇講演会の様子 | ||
○認知症とは・・①原因疾患がある ↓ ②脳の器質的変化(萎縮) ↓ ③知的能力が衰退 ↓ ④生活に障害 |
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○なぜ?という視点が大事です。原因疾患は、脳の状態は、知的能力の状態は、生活への障害は何なのか。一番困っているのは本人であり、認知症はその病態が原因であるということを決して忘れてはなりません。 | ||
例 → Q、耳の遠いAさん。一日中大きな声で話さないと聞こえない。職員は疲れて いる。どのように対応すればよいか。 A、専門職を受診・相談する(この場合は耳鼻科を受診して検査をする。結果 、治らないのであれば、どうすればよいのかを医療職に相談し考え、最善 の方法を持って対応することが私達の専門職としての役割である。) |
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◇講演会の様子 | ||
皆さんに聞いてみたいと思います。 ・自分の二本の足で歩けることがありがたいと思う 人(全員挙手)。道具を使って自分でご飯を食べ られることが素敵だと思う人(全員挙手)。自分 でトイレに行って始末ができることがありがたい と思う人(全員挙手)。今、皆さんが自分ででき るという、ありがたいと思う素敵な思いを婆さん に対してもその気持ちを持って接することが大切 です。なるべく婆さん自身が自分で歩く、食べる 、トイレに行くという行為が継続できるように、 出来るように、取り戻すようにするにはどうすれ ば良いのかを考え支援することが、私達専門職の 役割として大切なことではないでしょうか(決し てお女中であってはならない!)。 |
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(どういう人が認知症になるのでしょうか) | ||
・人は誰でも自分のことは自分でしたいと思っています。自分の意思で車椅子に乗り たい、他人に食事の世話をしてほしい、他人に排泄の介助をしてほしいと思ってい る人はいないと思います。誰しもが自分は将来認知症になりたい、身体障害になり たいとは思っているわけではないということを決して忘れてはなりません。 |
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(行動を分解することで、何が出来て、何が出来ないのかがわかってくる) | ||
・例⇒お茶を飲みたいと思った時、お茶を飲むまでの行為を分解して見て下さい。 実際は100項目ぐらいになります。その状態を把握したうえで、どの項目が出 来て、どの項目が出来ないのかを見極め、出来ない項目について介護(手助け )することが大切です。なぜこの人は自分でお茶を飲むことができなくなった のかを考える。なぜ?なにができて何ができないのか?何か対応に困ったときは 、是非その行動を分解し、1つ1つの項目について考えてみてください。きっと 良い対応方法が見えてくると思います(なぜ?)。 |
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◇忘年会の様子 | ||
・講演会の時間は4時間でしたが、参加された方全員 が、最後まで集中して和田先生のお話に耳を傾け 聞き入っていました。また、講演会では質問でき なかったことなどもたくさんあったようで、忘年 会の席では引き続き各テーブルにおいて熱心に意 見交換をする光景がたくさん見られました。なぜ ?を考える良い機会になったと思います。参加者全 員が「これかららの認知症ケア」について改めて 振り返るとともに、新年度を迎えるにあたり当協 議会としましても、さらなるサービスの向上に努 めて行くことを確認する忘年会となりました。 |
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