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第1回 青森県認知症グループホーム大会 2008in八戸
テーマ 支えあう町づくりをめざして
~ グループホームが出来ることから始めよう ~

1.期 日 平成20年7月31日(木)~8月1日(金)
2.会 場 プラザアーバンホール 八戸プラザホテル
3.主 催 青森県認知症グループホーム協会
4.後 援 青森県、八戸市、青森県社会福祉協議会、青森県老人福祉協会、
      青森県介護支援専門員協会、青森県老人保健施設協会
      やさしい手の会、デーリー東北、東奥日報
5.対  象 青森県認知症グループホーム協会員、保健・医療・介護関係者
      一般
6.参加者 328名
              
・テーマ「支えあう町づくりをめざして~グループホームが出来ることから始めよう~」と題し、青森県認知症グループホーム協会主催による第1回青森県認知症グループホーム大会2008in八戸を開催いたしました。本県では初めての大会となりましたが、当協議会会員事業所をはじめ県内外の関係団体各位、また、一般市民の方にも多数ご参加いただきました。認知症に対する現代社会の関心の高さをあらためて実感いたしました。本大会の開催に際し、ご講演いただきました堀田勉先生、川島孝一郎先生をはじめ、ご後援いただきました各自治体及び関係団体の皆様におかれましては、あらためて感謝申し上げます。今後ともご指導賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

◆1日目 開会式 《 下田肇会長 挨拶 13:30 ~ 13:35 》
下田肇会長 ・八戸地区認知症高齢者グループホーム協議会加藤
 会長の開会宣言により、本大会の1日目がスター
 トしました。つづいて主催者である青森県認知症
 グループホーム協会下田肇会長より開会の挨拶が
 ありました。
・最近のグループホームの気になる動向について
 ①数か所のGHが指定取り消し(他県)1つは入居
 者への虐待。1つは管理者の金銭管理の問題。法
 律を遵守し、適正なサービスの提供をしなければ
 ならない。
 ②H21年度介護報酬の改定について。入居者と共に
 現場にいる介護職員の処遇改善を行い、安心・安
 全な生活環境を作りあげていきましょう!
◆1日目 開会式 《 来賓祝辞 13:35 ~ 13:45 》
  青森県知事 三村申吾氏 代理
三村申吾氏代理  下田会長はじめ関係者の皆様方には常日頃から認
知症高齢者の処遇にかかる質の確保向上につきまし
て多大なるご尽力をいただいていることにつきまし
て厚く御礼を申し上げます。本格的な高齢者社会を
迎えるにあたり、県では高齢者の方お一人お一人が
心身共に健やかに自立して生き生きと暮らせる社会
を実現するため、平成18年3月に「青森高齢者すこや
か自立プラン」を策定しました。県としてはこのプ
ランに基づき高齢者の健康づくりをすすめサービス
の質の向上等を図ると共に県民の誰もがいつでもどこでも必要な時に必要な保健医療福祉サービスが受けられる包括ケアの推進に取り組むこととし、特に認知症高齢者については認知症の早期発見・早期対応や地域支援の在り方など検討し、認知症高齢者対策を総合的に進めることとしています。青森県認知症グループホーム協会会員の皆様方におかれましても、日頃から地域の認知症高齢者に対する支援についてご尽力をいただいておりますが、グループホームが関わりを持って支え合う町づくりを探るための本大会の開催に至りましたことは、誠に意義深いものと考えます。本大会が本県の認知症高齢者福祉の向上に繋がる実りある会となることをご期待申し上げると共にご参会の皆様のご健勝をお祈りしお祝いの言葉といたします。
八戸市長 小林眞氏 代理
 皆様には日頃から介護保険事業の推進にあたりまして人かたならぬご尽力をいただいておりますことに対しまして合わせて感謝を申し上げたいと思います。5人1人が高齢者という超高齢化社会を迎えておりまして、認知症高齢者の方は今後ますます増えることが予想されております。そのような中、平成18年度に創設されました地域密着型サービスの要となりますグループホーム、その役割というものは今後ますます大変大事になってくるものと思っております。皆様には今後とも認知症高齢者の方のケアの充実のためにお力添えをいただきますようお願いを申し上げたいと思います。また、行政といたしましては認知症に対する理解を深めていただくという意味からも認知症サポーターの方の養成に力を入れていかなければならないと考えておりまして、当市におきましても今年度認知症サポーターの講師となりますキャラバンメイトの養成について当市が実施主体となり実施する予定となっておりすので、その点につきましても皆様方のお力添えをいただきたいと思います。本大会が実り多きものとなりますことをご期待申し上げますと共に、本日ご参会の皆様方のさらなるご活躍ご健勝を祈念申し上げます。本日は大変おめでとうございました。
◆1日目《 一般公開講演① 13:45 ~ 15:15 》
 講師:さわやか福祉財団 理事長・弁護士 堀田 力 氏
 演題:『認知症になっても安心して暮らせる町づくりとグループホームの役割』
Ⅰ、医療との連携
さわやか福祉財団理事長 ・グループホームに医療は必要であるが医師、看護
 師はすぐには来てくれないことが多い(在宅医療
 は儲からない?)。医療と福祉のネッワークを構
 築(後期高齢者医療制度)することで、医療が必
 要な高齢者を一人の医師が診察し適切な対応がで
 きるように進めている。元々グループホームはそ
 こで看取るというこは考えていなかった(グルー
 プホームは生活の場であり、医療が必要になった
 ら病院へという考え方)。しかし今は出来るだけ
 生活の環境を変えず、出来るだけグループホーム
で医療との連携の中で最後まで暮らすという考え方が大事である。皆さんご存じの通り、認知症の方にとって環境を変えるということは大変な負担を強いることになる。そのためには、ここがあなたの安心して暮らしていける居場所である、ということを感じていただくことが一番大切である。家に帰りたいという気持ちは、今いる場所が安心して暮らせる居場所ではないということである。
Ⅱ、地域との交流
地域との交流 ・認知症の方には積極的に地域に出かけでいただく
 ようにすることが大切である。そのためには地域
 の認知症に関する理解と適切な支援が必要となる
 。そのような地域づくりの一環として全国に100
 万人の認知症サポーターを養成する活動をしてい
 ます(現在4年目で全国に46万人)。老人会や祭
 り、商店街などへ買い物に出掛けることで地域の
 人に顔を覚えてもらい、見かけたら声を掛けても
 らえるような関係づくりが必要。九州の大牟田市
 では、行政の職員が徘徊役となり地域訓練を行っ
ている。また、認知症の方が地域へ出向き、認知症とはこういう状態であるというこ
とを伝え、教師として話をしていただくなど。
・認知症の方に地域に貢献していただくことも大切である
(地域のパトロールなど)。また、地域で暮らす認知症の方がおられる家族の相談を受
けるなど、グループホームが相談窓口になり地域を支える活動をする。
◆1日目《 一般公開講演② 15:30 ~ 17:00 》
 講師:仙台往診クリニック 院長 川島 孝一郎 氏
 演題:『望まれる医療連携 ~ 支えあう町づくりのために ~ 』
仙台往診クリニック院長 Ⅰ、日本における医療の現状
 ・先進国と比較して日本の医療制度は進んでおり
  病気を治す分野においても世界トップクラスで
  ある。反面、日本の医療に欠けている点は支え
  る医療ができていないことである。治す医療が
  終わったら支える医療が必要となるが、日本の
  医療はそれができていない。
Ⅱ、在宅医療
 ・各自治体の財政状況にもよるが、現在の介護保
  険制度を活用すると独居で人工呼吸器・胃ろう
を必要とする状態であっても在宅で暮らす事が出来る。手術・CT・MRI検査・放射線治療を除けば、ほとんどの検査や治療を在宅で対応することが出来ます。統計によると約8割の方が最後まで在宅(グループホーム、特養等を含む)で暮らしたいと思っているが、実際は9割以上の方が病院で死亡している。死亡原因の第1位は癌であるが、現在の医学では癌の痛みは完全に取り除くことができます。もし、痛みを感じるのであれば、それはその医者が下手なだけである。現在の医者の大半は病気の説明で終わってしまっている。その後の生き方の説明がより大切であることを理解していない。
※医療のサプライは病院死であり、患者のニーズとのズレがある。
Ⅲ、共同主観性
 ・相手(患者・介護される人)を理解するということは、相手の意味世界を共有
  することである。
  相手を変えるのではなく、自分自身が相手に合わせて変わる必要がある。
  尊厳とは…個人に独立した価値があるという立場。
  尊重とは…相対的な両者が互いに保障されるという立場。
Ⅳ、終末期医療の重要点
 ・人には生きる権利はあっても、死ぬ権利はない。死ぬ権利は、日本国民の生きる
  権利の基盤そのものを崩壊させることである(尊厳ある生き方であり、尊厳死で
  はない)。
 ・より良く生きた結果、いつかは亡くなる。例えば、寝たきりの状態にある方が入
  浴中に亡くなったとしても、風呂に入ったことが原因で亡くなったのではなく、
  たまたまその時がその人にとっての最後の場所、最後の瞬間であったということ
  である。
 ・どのような状態であろうと、その人が生きている限り生活支援をするべきである
  。日本にはそのような制度がある。寝る=もっとも安楽で体力を消耗しない状態
  。最後が近いと思っていても、本人は辛くはない。辛いと思っているのは周りに
  いる人たちである。そのことを理解し受け止めることができれば、最後まで生活
  を支援することができる。元気で歩いている状態のときは良くて、寝たきりにな
  ると退所という考え方は間違い。
◆2日目《 分科会 9:30 ~ 10:35 》
介護事故、リスク管理
医療連帯とターミナルケア
本人の望む生活と地域とのかかわり
シンポジウム
◆大会2日目《 シンポジウム 10:50 ~ 11:40 》
シンポジウム ・各分科会の発表終了後、参加者全員が集まりシンポジウムを開催しました。シンポジウムでは、第Ⅰ~Ⅲ分科会の各会場において座長をしていただきました3名の先生にシンポジストとして出席 していただき、各事業所の取り組みの内容やその成果などについて、それぞれご報告していただきました。また、下田肇会長(コーディネーター)より会場の意見なども交えながら総評をしていただきました(本大会では16事業所より、18演題の取り組み事例について発表をしていただきました。)各事業所の取り組みに敬意を表するとともに、発表された皆様に感謝を申し上げます(今後のサービスの向上につなげて行きたいと思います)。
◆大会2日目《 閉会式 11:40 》
閉会式  シンポジウム終了後の閉会式では、主催者である青森県認知症グルプホーム協会副会長の岩淵惣二氏より本大会の総活をしていただきました。最後になりますが、本大会の事務局として準備を進めるに当たり、青森県認知症グループホーム協会及び関係団体の皆様を始め、八戸地区認知症高齢者グループホーム協議会会員事業所の皆様におかれましては、多大なるご支援ご協力を賜り厚く御礼申し上げます(以上)。
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TEL:0178-20-9217